松明けて朝のトースト匂ひけり  宇佐美 諭

松明けて朝のトースト匂ひけり  宇佐美 諭 『季のことば』  朝食はご飯かパンか。男性はご飯派がやや優勢、女性はパン派がやや優勢。年代別では意外なことに、若手の二〇~三〇歳代はご飯派がやや優勢、四十歳以降はパン派がやや優勢だとか。ともかくご飯派、パン派はいい勝負だが、「両方」「交互に」派も多く、朝のトーストの香りで「正月の終り」を感じる人が非常に多い、と言えるのだろう。  ところでトーストの香りとは? 私(筆者)はパンが少し焦げた匂いだろうと思っていたが、そこにバターを塗った香りだ、と言う人がいて、分からなくなってきた。ネットで調べてみたら、「焼きたてトーストの香りの香水がイギリスで開発された」というような情報ばかりが出てきて、匂いの正体は不明のまま。  我が家の場合、正月の三が日は雑煮お汁粉などの餅が朝の定番。それからはご飯かパンのどちらかとなるが、退職後の朝はご飯が圧倒的に優勢になった。そうか、トーストは出勤日の朝の定番だった、と気づく。この年末年始は“九連休”だとか。トーストは松明け(七日)の頃から匂い出すはずである。 (恂 20.01.12.)

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