まな板の傷も古びし年の暮 星川 水兎
まな板の傷も古びし年の暮 星川 水兎
『合評会から』(日経俳句会合同句会)
弥生 とても作れない句です。ミクロな材料を丁寧に詠んでいい句です。
三薬 「男子厨房に入る」の爺さんの句だと思う。年の暮れに詠んだのは、そうだと思わせていい句。
阿猿 まな板の傷なんてあまり目の行かないところ。この季節に合っていて、買い替えたのかどうか関心があります。
可升 「傷」って、プラスチックじゃなく木のまな板なんでしょうね。
双歩 「まな板の傷」いいところに目を付けたものです。
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忘年句会で評判になった句。忙しない歳暮、悔やみ惜しむ事の多い年の暮れ、来る年に希望を抱いて・・といった所が暮れの句会に集まる句なのだが、この句は「まな板の傷」という何とも地味なものを詠んで、却って人目を引くこととなった。合評会でも口々に目の付け所の良さが褒めそやされた。仕事をばりばりこなす人だけに、「まな板買換なきゃ」と思いつつ年の暮れになってしまったということなのだろうか。でもね、まな板の傷は主婦の勲章ですよ。
(水 20.01.07.)