タクラマカン砂漠の市場痩せ大根 渡邉 信
タクラマカン砂漠の市場痩せ大根 渡邉 信
『合評会から』(三四郎句会)
豊生 よくぞ見つけた、と言いたい。広大な砂漠の中でも大根は生きているんですね。
賢一 全く同感だ。タクラマカン砂漠に大根があるとは。
敦子 ロマンチックですね。砂漠の人たち、漬物にするのか、大根おろしかな。
小泉 私はウズベキスタンで見ました。まさに、この句のような感じでした。
有弘 シルクロードの砂漠は本当に広大で、私が見た大根もやはりこのようなものだった。
信(作者) バスでホータンからクチャへ、何と七百㌔も行く途中ですよ。果物はたくさんあるが、大根はない。探して、探して、ついに「あった」と叫びました。
尚弘 旅行の費用は五十万円だそうです。この句は価値が高い。
* * *
作者は中国ウイグル自治区へ旅行に出かけた際、次回句会の兼題の「大根」を探そうと考えていた。狙い通りに砂漠の中の市場で発見、句会では高点を得た。珍しい題材を得たのは、俳句の力か。いや、句会というものの力かも知れない。
(恂 19.12.15.)