白萩の猛然と咲く庭の隅     堤 てる夫

白萩の猛然と咲く庭の隅     堤 てる夫 『合評会から』(番町喜楽会) 水牛 「猛然と」という激しい形容に異論もあると思いますが、手弱女ぶりを見せて実はモーレツな萩の生態を詠んで面白い。 而云 「猛然と」がユニーク。白萩のパワーに満ちている。 水兎 「猛然」が素晴らしいです。生えてきたなと思ったら、あれよあれよの間にもっさりと道を塞いでいく感じが、まさにそのとおりです。        *       *       *  どの選者も「猛然と」に惹かれてこの句を選んでいる。この萩は作者の庭の生垣のそばに生え、まさに「猛然と」と表現するしかない繁茂状態らしい。三人の選者も「萩ってけっこう激しいんだよなあ」と作者に同感しているようだ。  筆者もこの句を選んだが、草花を「猛然と」と形容することに違和感を覚える一方、この刺激のある尖った言葉をあえて使った、作者の表現テクニックを評価して一票を投じた。作者や三人の選者が萩の生態をよく知るのに対して、筆者はより観念的に捉えていたと反省した。写生とはこういうことだと教えられた気がする。 (可 19.10.10.)

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