寂寥の八十路に響く秋の声   深田 森太郎

寂寥の八十路に響く秋の声   深田 森太郎 『おかめはちもく』  「八十路の方に秋にはどんなことを考えるか聞いてみたくなる句です」(てる夫)、「人生百年時代とはいえ、八十路は思うところが多々ある年代。秋の声が身に沁みます」(操)と、句会では共感を寄せる向きが多かった。しかし、「寂寥の」と決めつけてしまうような詠み方に異を唱える声も多かったのである。  八十代ともなれば、身体のあちこちに不具合を生じている人も多い。連れ合いを亡くした人も少なくない。寂寥感に押しひしがれる状況も理解出来る。しかし、その一方で、孫娘とおつかつの女性と仲良くなって結婚すると息巻く元気溌剌の老青年も居る。  また、この句は「寂寥」と「八十路に響く」と「秋の声」で、表現上も重複感があり過ぎるという声もある。  大勢は「よく分かる句」と賛成多数なのだから、問題は詠み方ということになる。要は「寂寥の」という上五を何かに置き換えればいいのだ。取りあえず、「たどり来し」を考えたが、他にもいろいろありそうだ。作者は皆で考える格好の材料を提供してくれた。 (水 19.09.20.)

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