メイン変え一手違えば蟻地獄     石丸 雅博

メイン変え一手違えば蟻地獄     石丸 雅博 『おかめはちもく』  「メイン」とは何だろうか。私には全く分からなかった。作者に聞くと「メインバンクのこと」だという。企業経営の上でメインバンクを変えたら、会社はどうなるだろうか、一つ間違えれば、という状況を詠んでいるのだ。ビジネスマンなら「メイン」と言えばすぐに分かるそうだが・・・。  問題がさらに一つ。蟻地獄(夏の季語)はウスバカゲロウの幼虫である。体調は1造曚鼻砂地にすり鉢状の穴を掘って潜み、蟻が落ちてくると巣に引きずり込んで食べてしまう。しかし、経営を誤って蟻地獄へ落ちるというのは比喩であって、小さな昆虫を詠んだことにはならない。  さて、この句をどう直すか。字余りになるが、まず「メインバンク」としよう。次に「変えてしまうか」と続け、下五に「蟻地獄」と置く。句は「蟻地獄」の前で切れ、二つの概念を対比させる「二句一章」の詠み方になる。即ち、経営上の悩みを抱えた経営者が蟻地獄を眺めているのだ。(恂)   「添削例」   メインバンク変えてしまうか蟻地獄

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