七月や帽子そろへて母娘     高石 昌魚

七月や帽子そろへて母娘     高石 昌魚 『合評会から』(日経俳句会) 博明 単純だけどよく分かります。イメージ性も強い。 悌志郎 夏休みへの期待感が読み取れる。 反平 季語との距離感に疑問を抱く句が多い中で、この句はほどよく気持ちがいい。 芳之 白いワンピースにおそろいの帽子でしょうか。親子で楽しいお出かけでしょう。           *       *       *  作者によれば、若い母親と娘さんがお揃いの帽子を被って街を歩いているのを見かけ、そのまま詠んだものだという。まさに嘱目吟の成功例である。  日経俳句会最長老のお一人。卒寿にして毎日欠かさず街歩き、常に新しい事どもを見つけては句材に取り込む。この句も娘と姉妹ではないかと受け取られるように装おう若い母親に目を止めてすかさず一句。  「俳句はボケ防止の妙薬」などという消極的効果ではなく、こうした若々しい句を作ってスタスタ歩いて行かれる姿にほれぼれする。(水)

続きを読む