心地よくワインに溶ける花疲れ     斉山 満智

心地よくワインに溶ける花疲れ     斉山 満智 『この一句』  「花疲れ」という季語は、詠んでみると難しい。季語そのものが濃厚に意味を持っていて、ついつい季語の説明をして失敗してしまう。  そんな中で、掲句は「花疲れ」と「ワイン」をうまく取合せた句で好感が持て、高得点句となった。ただ、ある評者が「心地よく」は「ワインに溶ける」と重複するのではと指摘したことについて、薄々そう感じていたので首肯するところがあった。  それならどうするか、少々頭をひねってみた。ワインを飲んでいた場所を配するのはどうだろうか。たとえば「濠端のワインに溶ける花疲れ」。むかし千鳥ヶ淵に花見時になるとテラスの賑わう、洒落たホテルがあったのを思い出した。  作者に無断の勝手な思い込みである。やっぱり「心地よく」の素直さがいいかな、とも思い直す。俳句は難しい。(可)

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