旅芸人しゃぼんの玉に入りけり 塩田 命水
旅芸人しゃぼんの玉に入りけり 塩田 命水
『合評会から』
迷哲 大きなシャボン玉が作れるようになりました。見た通りの句でしょうが、春の雰囲気が出ています。
可升 自分の作ったシャボン玉に自分が入るという芸は、あまり記憶にありません。ありのままの光景をありのままに詠んだのでしょうが、ユーモアを醸し出しているように思います。
幻水 シャボン玉の中に入る旅芸人、春らしい雰囲気です。ペーソスも感じますね。
而云 子供たちが吹くというイメージのシャボン玉ですが・・・。このような句が出来るとは、驚きました。
水牛 春の麗らかさに加え、哀切さもある。見世物のシャボン玉は合成樹脂を使うので、とても大きくなります。
木葉 「しゃぼん玉に入りけり」は素晴らしいが、「旅芸人」はいかにも古臭い。別の表現はなかったかな。
水牛 外国からも来ている人もいるので、「旅芸人」でもいいかな。(笑)。
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大道芸人が自分の吹くシャボン玉に入り、風に乗って飛んで行った・・・まさかね。しかしシャボン玉に人が入るまでは現実だ。シャボン玉は子供の遊びと思っていたが、季語も時代とともに随分、変わっていくものだ。(恂)