神武綏靖後は続かず紀元節 田中 白山
神武綏靖後は続かず紀元節 田中 白山
『この一句』
「神武」は日本初代の天皇であることを多くの人が知っている。「綏靖」はどうだろうか? 神武の後だから、二代目の天皇か、と想像は出来ても、この漢字を読めない人が多数を占めそうである。読みは「すいぜい」だが、もう一つ質問がある。この漢字、あなたは書けますか?
戦前の小学校(国民学校)では歴代天皇の名を覚えさせられた。敗戦時が二年の私は暗記を免れたが、上級生が声を出して覚えるので、最初の方は自然に頭に入ってしまった。ジンム、スイゼイ、アンネイ、イトク・・・。記憶力のいい友だちは、明治、大正、そして最後の「今上」(昭和)まで言えたのだ。
まさに「さまざまなこと思い出す紀元節」だが、もう一つ気付いたことがあった。建国日になるとよく冗談で「今日は“きげんぶし”だな」と言う友人がいるのだ。若者や子供の中には、真面目にそう読んでしまう人がいるかも知れない。下五は「建国日」の方がよかったかな、と思っている。(恂)