初夢やあの世この世を行き来して 片野 涸魚
初夢やあの世この世を行き来して 片野 涸魚
『合評会から』(酔吟会)
春陽子 夢など見たことがあまりありません。ましてや初夢など・・・うらやましいですなぁ。
光迷 うん、確かにうらやましい。「あの世」と「この世」を行ったり来たり。あの世ではきっとご両親と一緒なんでしょう。この世では孫たちに囲まれてね。いいなぁ、こんな夢見てみたいですね。
操 この句は、年代の行った方の句ではないかしら。なんだかドキッとさせられる句だと思います。
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このコラムは毎年1月初めと2月初め、掲載句を集めるのに苦労する。年明け早々は新年詠を載せたいのだが暮れの句ばかり。2月初めは、とっくに正月のことなど忘れられているのに新年詠しか無いのだ。しょうがない、しばらくは開き直って新年の句を云々。この句は読みようによっては操さんの言うようにどきっとさせられる。句会最長老の作者は「いやいや、ただ酔っぱらって朦朧として見る夢です」と、まさに仙境。(水)