頑張らない一年の計初雀 久保田 操
頑張らない一年の計初雀 久保田 操
『合評会から』(酔吟会)
春陽子 この人、「頑張らないこと」を一年の計として誓ったのですね。一年の計として「頑張る」より、「頑張らない」方が今の世の中受けるんでしょう(笑)。
而云 「初雀」がとてもよく合っている。この句のように意表を突くと、得点を稼ぐことになる。
可升 私の心情とよく合致している句です。この人は今までずいぶん頑張ってきたのですね。もう頑張らなくてもいいよと言ってあげたい。いい句だと思います。
双歩 「初雀」がいいですね。雀は雀なりにけなげに生きているんでしょう。でも、ちゃらちゃら生きているような気もする。頑張らない一年の計とよく合っています。
操(作者) この年末年始は、もういやというほど頑張りすぎて・・・。もう頑張りません(笑い)。
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「この暮は疲れた。もう年だ。今年は頑張らない」と作者は言う。年配者には同感の声が多いと思うが、俳句作りにはその後のことが問題である。掲句のようにユーモラスに詠むのは、けっこう難しいですよ。(恂)