一年が散らかっている十二月     嵐田 双歩

一年が散らかっている十二月     嵐田 双歩 『合評会から』(日経俳句会平成三十年年末合同句会) 「十二月をこれほど上手く表した句はない」(実千代)、「私の部屋もまさにこの通り」(てる夫)、「『散らかっている』をどう解釈するか、意味が深い」(定利)、「文句付けようが無い」(三薬)、「この一年色んなことがあったなという気持も出ている」(二堂)、「私は頭の中が散らかっている方と取りました」(三代)、「私は日本の政治を考えた。法案なんか散らかったまま一年が過ぎようとしていますしね・・」(而云)、「読む人に考えさせる句で、心臓にズバッと来る」(春陽子)、「心情の部分と、災害の復旧が遅れているという時事句の側面もありそうだ」(哲)、「お前もちゃんと片付けろと言われたようで・・」(光迷)、「部屋の散らかり具合も、災害や政治など時事句の側面もあるでしょう。心の中の整理がつかない状況を詠んで、ものすごく上手い」(木葉)、「十二月を『一年が散らかっている』なんてよくぞ思い付いた」(明男)、「まさにその通りという実感」(万歩)、「あれもこれもと焦る十二月のドタバタ感がよくでている」(阿猿)・・・。  何しろ参加者の半数以上が採った空前絶後の人気句。このコラムの字数制限から割愛せざるを得ない句評がいくつも出たほどである。(水)

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