冬夕焼林も燃える散歩道      後藤 尚弘

冬夕焼林も燃える散歩道      後藤 尚弘 『合評会から』(三四郎句会) 照芳 私の散歩道はもちろん別の場所ですが、句を見て、そうだ、こんな風景もあったと気付きました。 諭 「燃える」という言う様子、私が毎日歩いている所でも感じます。絵画的でインパクトがありますね。 進 私も散歩道で句のような風景を見ますが、「冬茜」でもよさそうだ。 崇 絵画的な雰囲気ですね。格調も感じられます。 誰か カリフォルニアの山火事みたいだが・・・              *        *        *  句を見た瞬間、林が燃えるとは大袈裟で俳句らしくないと感じた。「燃える太陽」や「燃える闘魂」などは安易に使いたくない、という気分もある。しかし句を選んだ三人のコメントを聞き、考えが変わってきた。皆さん、自分が日々散歩している途中、「林が燃えている(ような)」風景を実際に見ているのである。  実際にどんな状態なのだろう。落葉樹林の向こうに日が落ちる時、一帯が燃えるように見えるのかも知れない。やがて私には散歩の習慣が全くないことに気付いた。燃える林を語るには経験不足であったのだ。(恂)

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