泥まみれ子ら稲刈りの学習日 岡田 鷹洋
泥まみれ子ら稲刈りの学習日 岡田 鷹洋
『この一句』
「児童の安全」とか「衛生」とかがうるさく言われる昨今、稲刈り体験学習などは絶滅したかと思っていたのだが、こういう句が出てきたところをみると、まだやっているようだ。真に結構なことだと思う。
ITだAIだと訳の分からない横文字略語が飛び交う世の中にはなったが、日本人は相変わらず米食民族であり、「米は宝」であることに間違いない。コンビニで若い男女に一番人気があるのは、オムスビとおでんだということからしても、日本人と米との縁はまだまだ続くに違いない。
稲刈りと言えば近ごろはコンバインでざざーっと刈り取りながら脱穀も済ませてしまうのが普通になった。鎌を振るって丁寧に刈り取り、稲架(はさ)に掛けて陽の光りで乾かしたお米は実に美味い。しかしそんな手間をかけるのは農家の自家消費分とキロ当たり千円以上の高級米だけなのだとか。
とにかく慣れない稲刈り体験で興奮状態の子供たちは泥まみれになって大喜び。こうした経験はこの子らの将来に大きな糧となる。子どもたちのはしゃぎようが伝わって来る楽しい句だ。(水)