甲州の葡萄畑の中の駅 嵐田 双歩
甲州の葡萄畑の中の駅 嵐田 双歩
『合評会から』(番町喜楽会)
白山 こんな駅あるのかな。ヨーロッパの情景を思わせて、いいですね。句もすっきりしている。
満智 絵本の1頁のようで、素敵だなと思いました。
二堂 甲州ではありそうな、いい風景だなと思いました。なんとはなしの滑稽味もあります。
誰か 「勝沼ぶどう郷駅」というのがありますよ。
双歩(作者) おっしゃる通りです。山梨の「勝沼駅」が改称されて勝沼ぶどう郷駅となりました。周りはぶどう園ばかりです。ただそれだけの句ですが(笑)。
* * *
「ブドー」(葡萄)という音や漢字はどこか外国風だ。調べてみたら、前漢代の外交家・大旅行家の張騫(ちょうけん)という人物が、ペルシャ(イラン)から「ブーダウ」という品種の種を持ち帰り、漢字に当て、遣唐使などによって日本に伝えられ・・・、ということらしい。まさに地球規模の葡萄の旅の果てに「勝沼ぶどう郷駅」が生れた。「ヨーロッパの情景を思わせ」「絵本の1ページのようで」の感想も、むべなるかな。(恂)