百選の水潺潺と木下闇 大倉悌志郎
百選の水潺潺と木下闇 大倉悌志郎
『合評会から』(日経俳句会)
好夫 「潺潺(せんせん)」は辞書で調べて、水がよどみなく流れる様と知りました。「百選の水」の木下闇、きれいな句だなと思いました。
水兎 私も同じです。「潺潺」が素敵ですね。
冷峰 こんな言葉があるのですね。びっくりして選んでしまった。
斗詩子 私も「潺潺」の文字を始めて知りました。「百選の水」に相応しい感じがしました。
悌志郎(作者) 以前、村田先生(日経俳句会元会長)が金沢の疎水を詠んだ時、この語を使っておられた。いつかこれを使って句を作ってみようと・・・。皆さん、それに引っかかった(と作者本人が大笑い)。
* * *
「潺潺」は元来、水の流れる音を意味していたらしい。しかしこの文字を眺めていると、水の穏やかに吹き上がる様子のようにも思える。例えば富士山麓・三島の柿田川。川底から絶えず盛り上がってくる水の塊は「潺潺」のように見えるのだが・・・。何だろう、この字は? 改めてこの難しい漢字を見つめる。(恂)