旧道や蜥蜴きらめく土の壁 金田 青水
旧道や蜥蜴きらめく土の壁 金田 青水
『合評会から』(NPO双牛舎第10回俳句大会)
光迷 「旧道」は九州か東北か、あるいはもっと別の場所か、それはともかく、どこも大概寂れている。そういった草いきれのするような裏道を歩いていたら、土の壁を這う蜥蜴の青い影が見えた。とてもいい感じの句です。
諭 「蜥蜴」という字が読めなかった。女房に調べてもらって、これはすごい句だと。蜥蜴ってきらっと光りますよね、それを見事に表現した。女房も非常に気に入ったと言うことで・・(大笑い)
* * *
これも昨日の句と並んで双牛舎俳句大会で天賞を射止めた句。何しろパーティ形式の俳句大会だから非常に賑やかで、『合評会』といってもまともには開けず、代表して一人二人が感想を述べるに止まった。しかし、この句は難しいところが全く無くて、光迷、諭両氏の感想で十分言い尽くされている。
白漆喰が剥げ落ちて粗壁がむき出しになった土塀に蜥蜴一匹。夏の日射しに虹色に輝きながら、あっと云う間に土塀の割れ目に消えた。まさに白昼夢。(水)