紫陽花や嘘がまことに早変り 田中 白山
紫陽花や嘘がまことに早変り 田中 白山
『この一句』
先日開かれた当NPO主催の連句会で、掲句が発句に推薦された。現今の政治状況にまことに適合している、という理由によるものである。「絶対にこの句にしたい」「まあ、いいか」など、ニュアンスの違いは感じられたが、「反対」の声は出ず、連衆全員の同意を得たと言っていいだろう。
紫陽花には最後まで純白のままのものもある。しかし「七変化」の別名が示すように、日にちを追って色を変えていくのがこの花の特徴。土壌の性質によって青系統、赤系統になどに色が変わるのも、紫陽花の持つ性格そのものであるらしい。まさに現政権側の発言にそっくりの変化、変身ぶりである。
さて連句のこと。江戸時代に盛りを極めたこの文芸は、たとえ怒りや鬱憤があろうとも、その心をオブラートに包み、柔らかく句を繋いでいくのを善しとする。ところが上記の連句は、締めくくりの挙句に至って詠み手の怒りが爆発した。その句は? 残念ながらコラムの字数が足りなくなってしまった。(恂)