谷根千のへび道ねこ道青すだれ     野田 冷峰

谷根千のへび道ねこ道青すだれ     野田 冷峰 『合評会から』(酔吟会) 木葉 谷根千の路地裏の小道をよくもってきましたね。「青すだれ」という季語が「谷根千」とよく合っていますね。 可升 「へび道」というのがどんな道なのか「ねこ道」とはどうなのかがよく分からないのですが、リズム感もあって理屈抜きでいい句だと思いました。 春陽子 谷中、根津、千駄木・・・昔の人はいい名前を付けたなぁと学びました。あの辺は昔川があったんですね。今は暗渠になっているけれど・・・           *       *       *  地下鉄千代田線千駄木、根津あたりの不忍通り。昔はこの付近に藍染川という川が流れていたが、大正の震災後から昭和にかけて暗渠化された。旧藍染川はくねくね曲がり、現在の不忍通りから谷中寄りに一筋入ったりしながら流れていた。ドブのような細い支流もあった。  谷中銀座を下りてきて左折「よみせ通り」を上野方向に歩くと「へび道」になる。蛇がたくさんいたからとか、道が極端に蛇行しているからとの説もある。とにかく、昭和の初めの雰囲気を残す町だ。青簾という季語が絶妙に響く。(水)

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