大空にダリの口ひげ夏つばめ 岩田 三代
大空にダリの口ひげ夏つばめ 岩田 三代
『合評会から』(日経俳句会)
ゆり ダリの髭がつばめに似ているのと大空の青さが見えた。
好夫 私も以前からつばめをダリの髭のようだと思っていた。
二堂 ダリの口髭というのがぴったり。よくこれを思いついたなと思った。
反平 ほんとに上手いこと思いついたものだ。
臣弘 ダリの髭が大空に動いている。上手い考えに感心するばかりだ。
木葉 同感。しかし「ツバメ」は平仮名の方がいいのではないか。(原句は片仮名だった)
而云 ダリの髭はくるくる巻いている。だから燕が空中でくるっと回っている様子も想像できる。素晴らしい句だ。
万歩 飛燕の残像をダリの口ひげと見たてたところが超絶技巧。
睦子 飛ぶ速さと三日月のような姿形が美しいですね。
* * *
作者は何とかして燕の飛ぶ様子を詠みたいと考えていて、ふとダリの髭を思いついたという。こういうのを「ひらめき」と言うのだろう。(水)