公魚のいのち震はす竿の先     中村 哲

公魚のいのち震はす竿の先     中村  哲 『合評会から』(日経俳句会) 悌志郎 命のはかなさがうまく表現できている。 好夫 俳句らしい。 二堂 竿の先が震えているのを、命を震わしていると見ているのがおもしろい。 木葉 繊細なところを表現したのがいい。 反平 公魚の感じがよく出ているのでとった。 三薬 今回の公魚釣りの句はみな無理して作っている。しかし、この句はうまく詠んでいる。 三代 「いのち震はす」と表現したのが新しい。 明男 公魚が竿の先でもがいている様子が目に浮かぶ。 昌魚 小さな命が懸命に抵抗している様だろう。「いのち震はす」がいい。 十三妹 こちらの心をも震わせ、涙ぐむような切なさで響く。           *       *       *  三月例会の兼題「公魚」でトップ賞に輝いた作品。とにかく「いのち震はす竿の先」の措辞が効いている。(水)

続きを読む