春光やもう子分持つ四歳児 今泉 而云
春光やもう子分持つ四歳児 今泉 而云
『合評会から』(日経俳句会)
阿猿 「春」は成長ということを思う。四歳児が早くもお供を従えている様子と、ずいぶん大きくなったなという感じがよく合う。
木葉 四歳児でも上下関係が出来るんですね。面白い。
てる夫 年中組、集団生活に溶け込んでいる年頃なんで、けっこう生意気。
睦子 自我がはっきり芽生えてくる時と、春光のキラキラ感が相まって微笑ましく可愛い。
三薬 げに恐ろしきは人間の権力欲。そんな観察力も感じられます。
万歩 家にこもりがちだった子どもが春になって外に飛び出すと、もういっぱしのガキ大将になっている。春光と成長の早さがうまく重なっている。
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我が家のすぐ下に公園があり、近所の幼稚園、保育園の保母さんが子供たちを引き連れて遊ばせている。確かにこういう子がいてあれこれ指図したりしている。この句はそういう子どもたちの様子を「もう子分持つ」と言って、生き生きと描き出した。(水)