吹雪く日は小豆ことこと塩を振る    工藤 静舟

吹雪く日は小豆ことこと塩を振る    工藤 静舟 『合評会から』(酔吟会) 反平 上手な句だ。小豆ことこと、暖かそうな情景が見えてくる。塩を振る。これもうまい。 光迷 雪国にじっくりと生活した人の句ですね。お汁粉を作っているのだろう。 睦子 この句を一番に選びました。石油ストーブの上で小豆を煮ていた母の様子が浮かんできます。 静舟(作者) 小学生の頃の思い出です。北国では吹雪になると一日中、家の中ですからね。鍋に一杯小豆を煮ながら、タイミングを見計らって塩を振る。塩で甘みが増すんです。          *             *  「吹雪く日は小豆ことこと」がとてもいい感じだ。スキー場辺りに短期間滞在した程度では全く知ることのできない生活感がある。「雪国にじっくり生活した人の句ですね」と光迷氏。全くその通りだと思う。「下五」の「塩を振る」には意表を衝かれた。小豆を実際に煮た人ならではの言葉と言えよう。 作者は俳句を始めて日が浅く、句会初登場。日頃は執筆活動が第一、第二は書道と見受けられるが、俳句が第三になった、と推測される。新聞記者OBらによる発足二十年の酔吟会、期待の新人である。(恂)

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