雪起こし屋号の並ぶ漁師町    徳永 木葉

雪起こし屋号の並ぶ漁師町    徳永 木葉   『合評会から』(酔吟会) 春陽子 「屋号の並ぶ」ですか。漁師町をしっかり見ているなぁ、と思います。 臣弘 若狭湾あたりかな。漁師の家々から若い衆がメンツをかけて集まってきて、元気な顔を並べている、というような風景を思い浮かべます。 而云 雪起こし、鰤起こしの頃ですね。どこの家も代々の「○○丸」という屋号の看板を掲げているのでしょう。ブリ漁が始まった、という雰囲気を感じます。 木葉(作者) 北陸あたりに行けば、よく見かける風景です。                  *       * 「雪起こし」とは降雪に伴って発生する雷鳴や稲光のこと。北陸を中心にした日本海側特有の冬の気象現象で、寒ブリ漁の開始時期にあたるため「鰤起こし」とも言う。この時期、海岸の道を通ったら、漁師町特有の、船名を当てた屋号が並んでいた、というのが句の主旨。ブリ漁に出る漁師たちの威勢のいい声が、旅行者に聞こえて来たのだろうか。彼らはすでに海に出ており、漁師町はひっそり、という感じもする。(恂)

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