空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣 谷川 水馬
空を嗅ぐホッキョクグマや冬隣 谷川 水馬
『合評会から』(番町喜楽会)
正裕 「空を嗅ぐ」。季節の移り変わりを「そら」で感じているのだと思います。
而云 本当に熊はああいう格好をしますね。それを「嗅ぐ」ととらえたのが秀逸。
大虫 冬に入る頃になると、相手を探すんじゃないですか?「めす」の匂いを空に嗅いでいるのでは、ともとれますね。
てる夫 何といってもホッキョクグマを出演させたのがいいです。
可升 「空を嗅ぐ」、僕だけが「くう」と読みました(笑)。やっぱり「くう」がいいなぁ。まぁ好みの問題でしょうけれど。
哲 すごい句です。「冬隣」というのは「晩秋」から「冬」にかけてのことですよね。それをホッキョクグマを持ち出して、「俺の季節が来る、待ちどおしいなぁ」と、「空を嗅ぐ」で表現した。
* * *
白熊の仕草をうまく句に仕立てたてたものよと感心した。素晴らしい句だ。ただ「ホッキョクグマ」とカタカナで書くと理科の教科書みたいだ。個人的な趣味と言われるだろうが、白熊で詠むか「北極熊」として欲しかった。(水)