足湯する子らの歓声秋の雲     加藤 明男

足湯する子らの歓声秋の雲     加藤 明男 『この一句』  「足湯」なるものは元々は脚湯(きゃくとう)と言って温浴療法、つまりは療治の一つだった。怪我をしたり、筋違いを起こしたりして、その治療の一環として温泉場に籠もってやったものだ。  しかし、これはやってみるとなかなか気持のいいもので、別にどこが悪いというわけではない人でも、両脚を温泉に浸していると癒される。ということもあって十数年前からこれが流行り出し、ハイキングの途中や帰り道に家族連れで楽しんだりするようになった。温泉観光地はどこも「足湯」施設を拵えて、観光客を集めるスポットにしている。温泉場を控えた鉄道駅も続々と足湯を拵えている。  この句もそういった施設なのだろう。一家そろっての秋のハイキングか紅葉狩りか。大喜びの子どもたちがはしゃぐ声が谺する。まあ多少羽目を外しても、他のお客さんの迷惑にならなければ、滑って転んだって浅いから溺れることもない。若い両親はすっかりくつろいでひと時の安楽に浸っている。(水)

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