大鷺(だいさぎ)の白悠然と秋の風 堤 てる夫
大鷺(だいさぎ)の白悠然と秋の風 堤 てる夫
『この一句』
ダイサギとは? さっそくネットで調べた。日本のサギ類ではアオサギと並んで最大級とある。全身純白、体長九〇センチだという。両翼を広げれば一暖召砲發覆襪世蹐Δ。特徴の一つに「口は目の後方まで大きく裂けている」というのがあった。口裂け女のようで、ちょっと不気味だ。
別のネット情報では、二羽のダイサギが口を開けて飛んでいた。なるほど目の後ろまで口が裂けているようだ。しかしさほどの違和感はなく、立派な鳥という印象である。ふわりと秋風に乗った感じで、コウノトリ、トキなどに似た雰囲気。「白悠然と」という表現が実にぴったりだ。
写真は二羽だったが、句のダイサギは一羽のように思える。秋風の中を行く一羽の真っ白なダイサギ。その向こうに澄み切った青空が見えてくる。オス、メスのどちらだろうか。私はオスだと初めから思い込んでいたような気がする。「悠然と」という表現によるものかも知れない。(恂)