姥捨の田毎に揺れる秋の色     後藤 尚弘

姥捨の田毎に揺れる秋の色     後藤 尚弘 『合評会から』(三四郎句会) 正義 棚田の秋の風景ですね。夕日が射しているのかな。 敦子 列車で信州の田舎に帰る時、よく姥捨を通りました。田植え前後の「田毎の月」で有名ですが、この句のような様子も見てきました。私の好きな風景です。 而云 姥捨は傾斜地に棚田が千五百枚もあるらしい。大小さまざまで、風の通り方も、日の当たり方も違うから、「田毎に揺れる秋の色」なんですね。上手な句だと思う。 尚弘(作者) 姥捨には何度も行っています。その日、その時々に田毎の様子が違って見えるんです。        *         *  長野県の二つの中心部・長野市方面と松本市方面をつなぐ篠ノ井線の姥捨。ここに行ったことのない人が多いはずだし、駅名「おばすて」(地名・山名などでは「うばすて」とも)を読めない人もけっこういるに違いない。この句は長野県出身の人、この地を知っている人が選んでいたようである。姥捨吟行を行った、例えば日経俳句会、番町喜楽会だったら、何人の人が選んだだろうか、などと考えた。(恂)

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