秋澄むや外階段を降りる音     星川 佳子

秋澄むや外階段を降りる音     星川 佳子 『合評会から』(酔吟会) 睦子 非常階段を降りる音が秋の澄んだ空気をよく表していると思います。 光迷 秋は水だけでなく空気も澄む。この感じよくわかります。僕の家の近くには大学や集合住宅がたくさんあって、トントンと階段を降りる音がよく響いています。 反平 日常どこにでもありそうな状況を敏感にとらえている。この人は詩情豊かな人ですね。 而云 今トントンと降りてきたのは女の人かなあ、何階の人なんだろうなどと、住民の様子をいろいろと想像している。物語が生まれそうな句ですね。           *       *       *  マンションもオフイスビルも、建物の外側に鉄骨鉄板むき出しの外階段の設置が義務付けられている。中々来ないエレベーターを待つよりもこれを使った方が早いし、気持がいいと言う若い人もいる。しかし、この階段は実によく響く。秋の澄んだ夜などは尚更だ。「秋澄む」という伝統的な季語に、現代生活の一コマを配して、絶妙な句に仕上がった。(水)

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