輝きは生きた証ぞ流れ星     岡田 臣弘

輝きは生きた証ぞ流れ星     岡田 臣弘 『季のことば』  流星は一年中発生するものなのだが、八月半ば頃に一番多く見られ、殊に秋の澄んだ夜空に鮮やかに見えるので秋の季語になった。彗星や小惑星から出た小さな石が猛烈な速度で地球の大気圏に突入した際に摩擦熱で発生するガスが光を発する現象なのだという。大概は一秒ほどで燃え尽きてしまうが、時には燃え残ったものが地上に落下する(隕石)。  流れ星が消えないうちに願い事を三度唱えると叶えられるという言い伝えがある。しかし、「あ、流れ星」と気が付いた途端に消えてしまうから、三度も唱えるのは至難の業であろう。それに近ごろの大都会の夜空は濁っている上に人工光で明るいから、流れ星そのものを見ることが稀になってしまった。  三国志の諸葛孔明の死を流星で知る「星落秋風五丈原」をはじめ、流れ星は大昔から「死」と結び付けて語られてきた。俳句にも「星一つ命燃えつつ流れけり 虚子」「死がちかし星をくぐりて星流る 誓子」などがある。掲出句もやはり命と関連づけている。「生きた証ぞ」が賛美であると同時に、哀しみも誘う。(水)

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