六月の湖を鏡に山の色     大沢 反平

六月の湖を鏡に山の色     大沢 反平 『季のことば』  好きな月、嫌いな月のランキングをネットでざっと調べて見たところ、六月は予想に違わず嫌われ月の上位に座っていた。晴れの多い五月が終わればすぐに梅雨の季節である。暑くて、じめじめしていて・・・。今年も忍の一カ月か、と覚悟していたが、終わって見たらそうでもない。  気象庁の予測通り、月初めに梅雨入りしていた。ところが東京地方の降雨はさほどではなく、どちらかと言えば曇り日が多かった。晴天にも恵まれ、しかもからっとしていて、爽秋を思わせる心地よさに出会う日もあった。作者はそんな日に旅に出て、鏡のような湖面を眺めたのだろう。  波一つない湖面に映る山と空を、私は漫然思い描いたのだが・・・。二つのコメントを紹介する。「湖に映る六月の山の新緑が目に染みる」(庄一郎)。「“山の色”だけで、緑色を言わず、きれいな緑を表した」(昌魚)。お一人は九十歳。もうお一方もほどなく九十歳。ご高齢の瑞瑞しい感覚に感嘆した。(恂)

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