六月の花嫁元気に車いす    澤井 二堂

六月の花嫁元気に車いす    澤井 二堂 『おかめはちもく』   日経俳句会・酔吟会の合同句会に投句された一句である。選んだ句には事前のコメントを求められていたので、私はこの句を選んだ理由を次のように書いた。「『車椅子』で素晴らしい光景が見えてきた。『元気に』は一工夫欲しいが、なおかつ選びたくなる句である」。実に心温まる場面だと思う。  六月に結婚する花嫁(ジューンブライド)は一生幸せに過ごすのだという。その花嫁が車椅子に乗っていたのだ。怪我などによる一時的のものではなく、一生を車椅子で過ごす人なのだろう。しかし作者は「六月の」と詠んで、この女性が夫に愛され、素晴らしい人生を送るであろうことを暗示した。  「元気に」がちょっと残念である。結婚式のどういう場面なのかが分からない。例えば青空の下のテラスとか芝生の庭を想像させたらどうか。両家の親族や友人たちが待ち構えているところに車椅子の花嫁が現れる。一同は彼女の美しい笑顔を見て、歓声を上げ、一斉に拍手を送ったのではないだろうか。  添削例  六月の花嫁まぶしき車椅子   (恂)

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