青田風帰農の友は村長に     徳永 正裕

青田風帰農の友は村長に     徳永 正裕 『合評会から』(番町喜楽会) 水馬 都会で仕事をしながら、ずっと農業をしたかった。ようやく夢が叶ったら村長に。それもまた人生でしょうか。 春陽子 帰農したら思い掛けぬコースが待っていた。ニヤッとするような人生行路だ。 冷峰 かつての仲間の“彼”のことですね。故郷に帰ったら、若い人たちに担がれて村長になっちゃった。一度なると、なかなか辞められない。今では「三期くらいは」なんて言っています。 而云 青田風がいいと思う。都会に住む作者が郊外などの青田を見て、彼のことを思っているのだろう。 双歩 しかしどうなんだろう。せっかくの帰農なのに地方政治に携わるとは。苦労を背負ってしまうのではないか。 水牛 村長になるとやはり現実に流されるようなこともある。昔はいい句を作っていたが、忙しいのだろう。 正裕(作者) 青田風が吹いていて、さまざまなことを思う、というところかなぁ。 *           *  選句する側の何割かは“彼”のことを知っていた。句会でこのような状況はよくあるが、句の出来よりもその人の生きざまなどが話題になりがちで、当句会でも例外ではなかった。これぞ座の文芸、とも言っていられない。(恂)

続きを読む