オルガンのはじめは空気春の昼 星川 佳子
オルガンのはじめは空気春の昼 星川 佳子
『合評会から』(日経俳句会)
水馬 目のつけどころが実にユニークだ。麗かな春の日を感じさせる。
好夫 意表を衝かれた。「はじめは」という言葉が、ここに使われていることも意外だった。
而云 珍しいところを見つけたものだ。確かにオルガンは最初「すー」と空気の出る音がする。
臣弘 そうなんだ。フワーッとね。「はじめは空気」に春の温かい空気も感じられる。
佳子(作者) オルガンからすかすかした音が出ていましたよね。
青水 空気の発見が秀逸。季語の雰囲気をよく捉えている。
万歩 題材が抜群にユニークだ。春の雰囲気にとても合っている。
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この後も雑談的コメントがさまざまに語られている。「昔の思い出だね」「学校ではもう、どこでも電子オルガンですよ」「ピアノの音どころか、どんな楽器の音も出ます」「もう、スカッという音は出ない」――。「スカッ」という空気の音を言い表すのに「すかしっ□」という語も何度か聞こえてきた。(恂)