屋久島の春の残雪紀元杉     渡邉 信

屋久島の春の残雪紀元杉     渡邉 信 『おかめはちもく』  屋久島に春の雪! 九州の最南端・佐多岬から70舛眄茲療腓覆里法△箸咾辰りするが、別のことにも気付かざるを得ない。「残雪」は春の季語なのだ。淡雪、陰雪、雪間、雪崩なども同類である。「雪解」であれば「春かな」と思うが、それと同類の解け始めの雪はほとんど春の季語になっている。  句会でそんな注意をしたら、「へぇ」と驚く人が何人かいた。一カ月置きの句会で、準初心者クラスもいるから、仕方がない面もあるだろう。ともかく「春の雪」か「残雪」のどちらかを選らばねばならない。「屋久島の縄文杉に春の雪」ではどうか、と提案したら「それはだめです」とのこと。  紀元杉までは行き易いのだが、縄文杉までは、そこから山路を往復十時間も歩くので「私には無理です」という。「俳句にはフィクションもOK」とは言うものの、この場合はさすがにまずいだろう。そこで春雪を所どころにまとった屋久の大杉の様子を描いてみた。紀元杉を見上げる感じが出ているだろうか。  添削例 「春の雪キラキラ屋久の紀元杉」  (恂)

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