片づかぬ書架に春愁いすわりぬ     玉田春陽子

片づかぬ書架に春愁いすわりぬ     玉田春陽子 『合評会から』(番町喜楽会) 冷峰 よく分かる話ですね。私も同様で、上手に詠んでおられると思いました。 可升 私も本棚の前に座り、考え込むことがありますよ。 双歩 会社勤めが終わる頃、誰でもこういうことになるんじゃないですか。 てる夫 どちら様も同じようですね。ホッとしました。 光迷 書架は大げさすぎると感じましたが。 春陽子(作者)「本棚」は一音多く、中七に収まりにくい。「書架」はまあ、苦肉の策ですかな。        *         *  「句会は一つの世代の集まり」とある俳人が語っていた。確かに俳句会にはその傾向があり、この「合評会から」のコメントにも同世代の色が濃く表れている。句会で最高点のこの句、もしメンバーに若い人たちが揃っていたらどうだったか、と考えた。彼らも「やがては自分の姿」と理解し・・・・。いやそれ以前に、若い人は自分たちだけで句会を作ってしまうのではないだろうか。(恂)

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