鶯の声を探して森のカフェ     齊山 満智

鶯の声を探して森のカフェ     齊山 満智 『この一句』  「鶯の声を探して」を、私(筆者)はこう解釈した。春めいてきた頃、作者は鶯の声を聞く必要が生じて、森の中へ入って行ったのだ。よく鶯がよく来るとか、鳴き声が聞える場所であるとかを、知っていたわけではない。あの森に行けば聞こえるかな、という、あてずっぽうによるものであった。  次の句会の兼題に「鶯」が出て、その必要が生じたのである。鶯の鳴き声は知っていたが、実際に聞いたことがあるような、ないような・・・。俳句を始めてからの月日はまだ浅く、吟行の経験もない。しかしここはともかく実際に聞いて見るに限るとバスに乗り、森の広がる公園に出掛けてみた。  ボートの池もある公園の一角にかなり広い森が待ち構えていた。小道を往くと会う人もなく、時々立ち止まって耳を澄ますが、残念ながら鶯の声は聞こえてこない。ふと目の前に小ぎれいなカフェが現れた。疲れたので「ともかく、ここでひと休み」。メルヘン風の雰囲気もある洒落た句だと思う。(恂)

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