丸き背の連なる寒の交差点     高石 昌魚

丸き背の連なる寒の交差点     髙石 昌魚 『合評会から』(日経俳句会) 実千代 寒中の都会の様子がよく出ています。 双歩 「連なる」と言ったのがうまいと思った。「寒に入る競歩のごときサラリーマン 高橋ヲブラダ」といういい句もあったが、いずれも都会の悲哀がうまく表現されている。 二堂 サラリーマンが同じ格好をして連なって、青信号になったら一斉に横断歩道を渡って会社に向かう、そんな姿がうまく表現されている。 水馬 まさに実景、実感です。私の背中も丸いです。 青水 出勤時の都心の情景を、力みなく過不足なく描写していて心地よい。           *       *       *  「こんなに点が入るとは思わなかった」と作者が驚くほど、句会では好評を博した。凍てつく都会の交差点、誰もが見慣れた風景なのだが、それをこうしてすっと差し出されると、「そうだなあ」と頷いてしまう。「みたままをそのままに」詠んだ句の強さだろう。特に「みんな背中が丸い」としたところが寒の寒たるところだ。(水)

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