子供等は寝ずの番してどんど守      宇野木敦子

子供等は寝ずの番してどんど守      宇野木敦子 『おかめはちもく』  三四郎句会でこの句を初めて見た時、状況がよく分からなかった。子供たちが大人もいないのに一晩中、どんどの火の番をするのだろうか。どんど焼きはそんなに長く燃やすものなのか。すると尚弘氏が発言した。「これ、門松の見張りでしょ。私の郷里でも子供たちが門松の番をしていましたよ」。  尚弘氏は長野県伊那地方の飯田市出身。作者の敦子さんも子供の頃、天竜川を挟んで飯田の東側の喬木村で何年かを過ごした。尚弘氏によると、門松が多いほどどんどは盛大に燃えるので、悪童たちが他の家の松を盗みに来るそうだ。そのため各家では子供たちが一晩中、門松の見張りをするのだという。  このような状況の全てを、五七五の中に収めるのはなかなか難しい。しかし同句会の添削役を仰せつかっている身として何とか形をつけたいところ。伊那という地域の風習であることを明確にすれば、何とか分かって頂けるかも知れない。やや不満ながら・・・。添削例 伊那の子らどんどの松を寝ずの番 (恂)

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