冬の日の空降りてくる硝子拭     玉田 春陽子

冬の日の空降りてくる硝子拭     玉田 春陽子 『合評会から』(番町喜楽会) 正裕 「冬の日」という季語には「冬の陽差し」と「冬の一日」のふたつの意味がありますが、これは後者ですね。硝子拭というあまり俳句に使われない素材を使って、冬の日の寒々した感じがよく出ています。 啓一 「空降りてくる」という普通余り使われない措辞がいいですね。拭いている人が見えるような躍動感のあるいい句だと思います。 満智 下から見上げている感じですね。 佳子 澄んだ青空がいっぱいに広がった暖かな冬の日を実感します。 綾子 真っ青な冬の青空が目に浮かびます。           *       *       *  ビル街を歩いているとよく見るガラス拭きである。冬の日が横からさしてきて窓硝子の表面がきらきら反射している情景が浮かんで来る。私は巨大な鏡のような高層ビルを拭いているゴンドラを目に浮かべたが、作者によると、五階建ての小さなビルで板を渡したブランコのようなものがスーッと降りて来たところを詠んだのだという。それはそれで軽業師を見るようで面白い。(水)

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