宅急便街の寒さも届きけり     澤井 二堂

宅急便街の寒さも届きけり     澤井 二堂 『おかめはちもく』  この句は「宅急便外の寒さも届きけり」として投句された。私(筆者)を含む四人が選んでおり、まずまずの評価を得た、と言えるだろう。ただし私は「外の寒さ」が不満で、「街の寒さ」としたら、と注文をつけた。同調者が多く、「街」派が優勢になったあたりで、作者が「実は」と話し始めた。  別の句会で作者は「洗濯屋街の寒さも届きけり」という句を出し、零点に終わっている。作者は「なぜか」と考えた。彼の家には洗濯屋が御用聞きに来ていたのだが、一般社会ではあまり例のない、と気付いた。そこで上五を「宅急便」とし、さらに少し変えたいと思い「街の」を「外の」にしたという。  そんな経緯が披露されると、「街」に戻した方がいい、という声が高まり、句会の総意のような形で変更が認められた。「宅急便街の寒さも届きけり」。やはり、こちらの方がよさそうである。こうした事情により、今回は(添削例)のない『おかめはちもく』になってしまった。ご了解頂きたい。(恂)

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