マイガーデン泥ねぎ寄せて鍬仕舞う   印南 進

マイガーデン泥ねぎ寄せて鍬仕舞う   印南 進 『合評会から』(三四郎句会) 久敬 マイガーデンが洒落ている。泥葱を寄せて一個所に集めているのでしょう。 雅博 この句は、マイガーデンの響きのよさですね。 正義 泥つき葱を買ってきて、庭に畝を作って活けているのかな。 敦子 泥つき葱を一個所に寄せ、土を被せておくのでしょう。そうやって保存しておくのですね。          *       *  「マイガーデン」という洒落た現代的な言葉から、食うや食わずの時代を思い出した。敗戦後間もない頃、歳が押し詰まってくると、近隣の家々では庭の片隅を耕し、泥つきの葱や大根などを「活けて」いた。辞書によると「活ける」は「埋ける」とも書くそうだが、こんな語はもう、ほとんど見聞きすることがない。  句に触発されて「やってみるか」と思ったが、近所のスーパーに並ぶ葱は真っ白で、すべすべで、根の上で切られている。それより何より、我家の小庭には葱を活ける余地がなさそうだ。古い歳時記に「鍬納」(冬)という季語が載っていた。作者は葱をマイガーデンに活けて、今年の庭作業を終えたのだろう。(恂)

続きを読む