頼りなき日差し求めて布団干す     山口 斗詩子

頼りなき日差し求めて布団干す     山口 斗詩子 『季のことば』  「布団」「干布団」は冬の季語。布団(蒲団とも)は一年中あるのに、何故冬季とされているのか。昔は寒い冬にしか布団は用いられなかったからだとか、やはり寒い季節こそ布団の有難味をしみじみ感じるからだとか、いろいろ云われている。どれもある程度当たっているように思うが、十分な答えになっていないような気もする。  ただ、小春日の温みを吸ってふっくらした布団に包まれると、極楽気分になることは確かだ。子どもたちは「お日様の匂いだ」とはしゃぐ。というわけで、冬晴れの日には布団干しがよく行われる。「どの家もみな仕合せや干蒲団 鈴木花蓑」という塩梅である。  しかし、今年の初冬は良い天気が続かない。「明日こそは布団干しだ」と思って一晩明けたら、朝からしょぼしょぼ降っている。それが二、三日続いて、ようやく雲間からお日様が顔を出した。いかにも冬陽の感じで、まことに頼りないが、それでもそれを拝むようにして干すのだ。(水)

続きを読む