新酒来と酒屋の内儀声高に    大澤 水牛

新酒来と酒屋の内儀声高に    大澤 水牛 『季のことば』 新酒の季節、とは思うが、その実態がよく分からない。手元の歳時記を開いたら「現今は濁酒(どぶろく)以外に年内に醸造される清酒はない」。何だい、これは? ネットの「Wiki」で調べてまたびっくり。一般的な新酒の場合や国税庁のガイドラインなど、何項にも渉って説明している。  その代表的なものは、―酬遒ら三月の間に作られる酒 △修稜の米で一番に作られた酒 「新酒」を掲げて売る酒などなど。メーカーによっては「秋」に合わせて新酒を出荷しているそうで、もう出回っているのもあるらしい。歳時記の記述は前例順守のため、古くなっているのだろう。  この句を見て膝を叩いた。酒屋の内儀の「新酒、来ましたよ」という声が聞こえたら新酒の季節なのだ。とは言え、安売り店で専ら四角い“箱入り”の酒を買うのがこちとらの流儀。嫁いで間もない内儀の、鈴を転がすような「今年酒ですよ」の声が聞けたらいいなぁ、と思うばかりである。 (恂)

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