就活の朗報待たん秋日和     和泉田 守

就活の朗報待たん秋日和     和泉田 守 『季のことば』  「就活」とは就職活動を縮めた言葉である、という説明が今では全く不要な、一般名詞になっている。「ブカツ」(クラブ活動)同様に学生にとっては勉強よりもずっと大事な活動だから、いつの間にか日本国中に行き渡った。  若者とヤクザは昔からこうした短縮形や合言葉を好み、時には仲間内にしか分からない言葉(隠語)を発明する。私が新聞記者に成り立ての昭和36年頃、「ヤバイ」という言葉はヤクザやうさんくさい連中が用いていた隠語だった。それが今や可愛らしい女学生までが口にする。しかもその意味合いには、「まずい、危険だ」という本意に加え、「すごい、素晴らしい」のニュアンスがある。  こうした例を挙げるまでもなく、言葉は時々刻々変化して行く。個人的にはその風潮に逆艪を噛ませたい気持なのだが、時代の流れには逆らえない。「就活」や「デパ地下」には黙って従うよりなさそうだ。  この句、わが子か、可愛がっている親戚の子かの就活結果を心待ちにしている。「秋日和」という季語の感じからすると、かなり感触は良さそうだ。(水)

続きを読む