草千里地震にそよげる尾花かな     直井 正

草千里地震にそよぐ尾花かな     直井 正 『おかめはちもく』  NPO法人双牛舎と関わりを持つ日経俳句会など四句会では選句・披講の際、作者は名乗らないのが慣わしだ。合評会で自由に意見を述べ合うためで、後で作者が分かってから「すみません」と謝ったりする。この句の作者は先輩なのだが、「地震」の読みに問題ありと見て、本欄に登場頂くことにした。  「草千里」は阿蘇山の火口跡の広大な草地だ。句は熊本地震によって尾花(芒・薄)が揺れた状況を詠んでいる。「地震」の読みは「ない(なゐ)」なのだろう。しかし一般の人は「じしん」と読むに違いない。時事句でもあり、すなおに「地震(じしん)にそよぐ」とすべきではないだろうか。  添削はここで終了。あとは個人的、趣味的な直しを付け加えたい。「そよぐ」を漢字で書けば「戦ぐ」となる。さらに「戦く」とすれば「おののく」「わななく」と読む。そこで「草千里すすき戦く震度四」。「戦く」にはどちらかのルビを振るのだが・・・。またしても直し過ぎの癖が出てしまった。すみません。(恂)

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