ぽっこりと泡一つ吐く金魚かな      石黒 賢一

ぽっこりと泡一つ吐く金魚かな      石黒 賢一 『合評会から』 尚弘 「ぽっこり」という表現がいい。金魚の様子が目に見えてきます。 有弘 観察の細やかさに敬服した。上五から中七へのつながりがいいですね 崇 何と言っても「ぽっこり効果」ですね。いろんな場面が想像できます。 賢一 「赤いべべ着た可愛い金魚」という童謡(「金魚の昼寝」)があるでしょう。あの歌の中の「あぶくを一つ」を、そのまま拝借しました。              *            *  いわゆる「ただごと」俳句と言われるタイプの句だと思う。つまり「それがどうした」と問われる部類の句である。金魚が泡を吐いたのだという。「それがどうしたの?」と言われそうだが、それでもどこかに面白味がある。句評にあるように「ぽっこり効果」によって平凡を脱したのだろう。童謡から金魚の泡を思いつき、このオノマトペ(擬音語)を発見したという。「ぽっこり」には「丸く盛り上がった様子」の意味があるらしいが、金魚の口から吐き出された泡を表すには、これ以上の語はないかも知れない(恂)

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