ときめきは心のサプリ夏の海 宇野木敦子
ときめきは心のサプリ夏の海 宇野木敦子
『合評会から』(三四郎句会)
賢一 「サプリ」がいいですね。とても気に入りました。
竹居 全く同じです。本当にそう思います。
尚弘 サプリって、サプリメントでしょう。若さを取り戻す補助剤だというのかな。
進 よく詠んでいて、その通りだと思う。海の周辺に行くと確かに若返りますよ。
賢一 (作者が分かって)男の作かと思っていた。女性でも男の水着姿を見るのですか。
敦子(作者) それは見ますよ、私だって。いくつになっても若い男性は魅力的です。
* *
辞書に「サプリ」は「サプリメントの略」と出ている。片仮名は俳句では嫌われがちで、しかもこれは略語だが、もはや一般用語として認めるほかはない。この句を見ていると「サプリ」が煌めき、夏の海の情景が浮かんでくる。一方、「ときめき」には漢字表記がないようだ。古い大辞典に「枕草子」の二例がでていたが、どちらも仮名であった。ふと思う。清少納言もときめきを心のサプリにしていたのだろうか。(恂)