青葡萄十八歳の選挙権      岡本 崇

青葡萄十八歳の選挙権      岡本 崇 『この一句』  この六月から十八歳、十九歳の人に選挙権が与えられ、参院選、東京都知事選でこの年代の若者が投票を行った。投票率は十八歳がまあまあ、十九歳はがっかり、というところだが、それはそれとして・・・。この句は初めて選挙を体験した若い人たちの心や行動を、青葡萄に譬えたところがユニークだ。  形から見れば「青葡萄」と「十八歳の選挙権」という二つの語を並べただけの句である。二つの語をつなぐ「と」「に」「を」などもない。俳句に馴染みの薄い人はこの句を、どう捉えるだろうか。しっくりしない感じが残りそうだが、句の発する瑞瑞しさ、初々しさは十分に感じ取れるだろう。  このように二つのものを対比させる作り方は「取合せ」と呼ばれ、芭蕉の頃から存在していた。子規の頃に「配合」という語が生まれ、その後も「二句一章」「二物衝撃」などの用語によって時代ごとに「俳論」を盛り上げてきた。今はやや退潮気味か。しかし可能性を秘めた手法と思われる。(恂)

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